審査員コメント
かずあっきぃ
オープン以来、歳月を経るごとにメニューの完成度が向上。とりわけ「塩つけ麺」は、淡麗系塩つけ麺の白眉と称しても過言ではない程の成長を遂げた。じんわりと味覚中枢を刺激する塩ダレのうま味と香り。塩の風味をガッツリと受け止める鶏出汁。適材適所を貫徹することで、最後まで全く飽きさせないバランスの良い1杯に。
2017年における動物+魚介系つけ麺の頂点。スープは、粘度や濃度に頼らないサラリとしたテイスト。甘みとうま味のさじ加減も絶妙の極み。動物系を支える節の力添えも、過不足皆無。針に糸を通すかのごとき正確無比な味づくりに出てくるのは賛辞の言葉だけだ。
ど真ん中を、ぶち抜かれた。
濃厚豚骨魚介つけ麺は、我々ラーメン好きにとっては十数年前から食べ続けているジャンルである。各々がその味わいを理解し、一種の枠や壁のようなものを設けているのだ。
その壁の厚さは人それぞれだが、結果的に「食べ飽きた」「○○には勝てない」といった厳しい評価を下すことが多い。
しかし、その壁を「つけ麺 和」は見事に打ち破った。しかも正攻法で、だ。
つけ汁は強固...
うま味の粋を極めた昆布水に浸された麺は、塩だけを付けていただいても食べ切れてしまうほどの圧倒的なクオリティを誇る。鶏の滋養味を絶妙な塩梅で演出したスープと麺との相性も、まるで長年連れ添った夫婦のよう。まさに、日本料理の1カテゴリーと称しても過言ではない、歴史的名品だ。